ヘリコバクター・ピロリ感染症

今回は、ヘリコバクター・ピロリ感染症についてです。

ピロリ菌は、胃の粘膜に生息しているらせん形をした細菌です。

 

◆ポイント◆

①ピロリ菌感染により、胃がん等の様々な疾患を引き起こす。

②ピロリ菌の検査には様々な方法がある。

③除菌療法は多剤併用療法を行い、原則4週間以上経過してから除菌できたかの検査を行う。

 

①ピロリ菌感染により、胃がん等の様々な疾患を引き起こす。

ピロリ菌に感染すると、ピロリ菌のウレアーゼ活性により、胃の中の尿素が反応して発生するアンモニアなどによって直接胃の粘膜が傷つけられたり、免疫反応により胃の粘膜に炎症が起こります。ピロリ菌に感染、胃がん、急性(慢性)胃炎、胃過形成ポリープ、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、機能性ディスペプシア等様々な疾患を引き起こす可能性が高くなります。

 

②ピロリ菌の検査には様々な方法がある。

ピロリ菌に感染したかどうかを調べる検査は、以下のような方法があります。

・迅速ウレアーゼ試験

尿素呼気試験

・抗体測定(血液や尿を採取)

・便中抗原測定

・組織培養

 

③除菌療法は多剤併用療法を行い、原則4週間以上経過してから除菌できたかの検査を行う。

検査でピロリ菌がいると診断されれば、除菌療法を行います。

ピロリ菌は抗菌薬に対して耐性を生じやすく、耐性を防ぐため、多剤併用療法を行います。

一次除菌(1週間内服)・・・PPI+アモキシシリン(AMPC)+クラリスロマイシン(CAM)

二次除菌(1週間内服)・・・PPI+AMPC+メトロニダゾール

三次除菌(保険適応ではなく自費)・・・PPI+AMPC+レボフロキサシン(シタフロキサシン)

まずは3剤を1日2回、1週間服用します(一次除菌)。1回目の除菌療法の成功率は約70-80%といわれています。すべての治療が終了した後、4週間以上経過してから除菌できたかどうかの検査)を行います。一次除菌療法で除菌できなかった場合は、再び1週間かけて服用する、2回目の除菌療法を行います(二次除菌療法)。2種類の抗菌薬のうち1つをCAMからメトロニダゾールに変えて、再び除菌を行います。
一次除菌療法で除菌ができなかった場合でも、二次除菌療法でほとんどの場合、除菌が成功すると報告されています。

二次除菌療法でも除菌できなかった場合は、三次除菌となりますが、保険適応ではなく自費となります。

 

最近では、除菌療法でパック製剤が増えて、服薬がより簡便になっています。以下、パック製剤について列挙します。

・ランサップ400・・・タケプロンカプセル30mg×2カプセル 、アモリンカプセル250mg×6カプセル 、クラリス錠200mg×2錠

・ランサップ800・・・タケプロンカプセル30mg×2カプセル 、アモリンカプセル250mg×6カプセル 、クラリス錠200mg×4錠

・ラベキュア400・・・パリエット錠10mg×2錠 、サワシリン錠250mg×6錠 、クラリス錠200mg×2錠

・ラベキュア800・・・パリエット錠10mg×2錠 、サワシリン錠250mg×6錠 、クラリス錠200mg×4錠

・ランピオンパック・・・タケプロンカプセル30mg×2カプセル 、アモリンカプセル250mg×6カプセル 、フラジール内服錠250mg×2錠

・ラベファインパック・・・パリエット錠10mg×2錠 、サワシリン錠250mg×6錠 、フラジール内服錠250mg×2錠

・ボノサップパック400・・・タケキャブ20㎎×2錠 、アモリンカプセル250mg×6カプセル、クラリス錠200mg×2錠

・ボノサップパック800・・・タケキャブ20㎎×2錠 、アモリンカプセル250mg×6カプセル、クラリス錠200mg×4錠

・ボノピオンパック・・・タケキャブ20㎎×2錠、アモリンカプセル250mg×6カプセル、フラジール内服錠250mg×2錠

 

上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。