【これだけは抑えておきたい】機能性ディスペプシア(FD)治療薬:アコファイド

 

基本情報

製品名:アコファイド

一般名:アコチアミド塩酸塩水和物

効能・効果:機能性ディスペプシアにおける食後膨満感、上腹部膨満感、早期満腹感

 

機能性ディスペプシアの治療薬である。

機能性ディスペプシア(FD:functional dyspepsia)は、内視鏡などの検査で症状の原因となる器質的疾患等を認めないにもかかわらず、4つの症状(食後のもたれ感や早期満腹感、みぞおちの痛み、灼熱感)などの上腹部を中心とする症状が持続する疾患です。機能性ディスペプシアはストレスと関連がありますが、明確な関連は不明ですが、患者の中には、症状の再発と消失を長期間繰り返す場合もあります。

 

コリンエステラーゼ阻害薬であり、消化管運動を促進させる。

アコファイドはアセチルコリンエステラーゼ(AChE)を阻害し、副交感神経から遊離されるアセチルコリンACh)の分解を抑えます。その結果、機能性ディスペプシアの原因となる低下した胃運動及び胃排出能を改善します。

 

食前に服用する。

アコファイドは食前服用に設定されていますが、以下のデータがあるためです。

「健康成人男性に空腹時、食前又は食後に経口投与したとき、Cmaxは食前投与で最も高く、空腹時投与に比べ62.7%上昇した。また、食後投与のCmaxは食前投与の59.6%であった。」

食後投与は食前投与の4割も落ちてしまうので、食前投与に設定されました。

 

心窩部の疼痛や灼熱感に対する有効性は確認されていない。

有効性が確認されているのは、機能性ディスペプシアのうち胃もたれや膨満感を主症状とする食後愁訴症候群(PDS)に対してです。胃痛や胸やけを主とする心窩部痛や灼熱感等の心窩部痛症候群(EPS)に対する有効性は確認されていません。

 

~参考文献~

・アコファイド添付文書

・アコファイドインタビューフォーム

 

※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。

※上記内容は、個々の治療方針や治療指針を促すものではありません。治療については必ず医療機関でよくご相談ください。

 

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ver1. 2017.11

ver2. 2020.2

 

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