【これだけは抑えておきたい】機能性ディスペプシア(FD)治療薬:ガスモチン
基本情報
一般名:モサプリドクエン酸水和物
効能・効果:
・慢性胃炎に伴う消化器症状(胸やけ、悪心・嘔吐)
5-HT4受容体作動薬であり、消化管運動促進作用を示す。
ガスモチンは、選択的なセロトニン5-HT4受容体作動薬であり、ドパミンD2受容体遮断作用を示さず、アセチルコリンを遊離して、消化管運動を促進させます。
これが、ドパミンD2受容体遮断薬である、ナウゼリン(ドンペリドン)やガナトン(イトプリド)と違うところです。ナウゼリンやガナトンはドパミンD2受容体遮断薬であるため、同じ消化管運動を改善する働きがありますが、副作用として錐体外路障害がみられることがあります。ガスモチンはドパミンD2受容体遮断作用がないため、錐体外路障害が起こりにくいです。
一定期間投与後、症状が改善しているかどうかを評価する。
ガスモチンを慢性胃炎に伴う消化器症状に用いる際には、一定期間(通常2週間)投与後、消化器症状の改善について評価し、投与継続の必要性について検討しなければなりません。
副作用は比較的起こりにくいが、肝機能障害がみられる可能性がある。
上記の通り、ガスモチンはドパミンD2受容体遮断作用がないため、錐体外路障害が起こりにくいですが、劇症肝炎や重篤な肝機能障害、黄疸等の肝機能障害があらわれることがあるので、長期にわたって漫然と投与しないよう注意喚起されています。
~参考文献~
・ガスモチン添付文書
・ガスモチンインタビューフォーム
※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。
※上記内容は、個々の治療方針や治療指針を促すものではありません。治療については必ず医療機関でよくご相談ください。
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ver1. 2017.11
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