【これだけは抑えておきたい】COPD治療薬:SAMA アトロベント
基本情報
製品名:アトロベント
一般名:イプラトロピウム臭化物水和物製剤
短時間作用性抗コリン薬である。
アトロベントは、短時間作用性抗コリン薬でSAMAに分類されます。
SAMAであるアトロベントは抗コリン薬であり、気管支平滑筋の収縮を抑制し、結果的に気管支を拡張して、症状を改善します。
閉塞隅角緑内障や前立腺肥大症には禁忌である。
アトロベントは抗コリン薬ですので、抗コリン薬の一般的な薬理作用としての注意事項である、閉塞隅角緑内障や前立腺肥大症には症状を悪化させる可能性があり、禁忌となっています。
アトロベントはCOPDの治療で高齢者に使用することも多く、併存疾患にも注意が必要です。
心臓等への影響は少ない。
アトロベントは、口腔からの吸入投与により、気管支収縮を抑制します。LABA等の交感神経刺激性の気管支拡張剤とは作用機序が異なり、心血管系への影響は弱く、COPDに対する維持療法剤としての使用に適しています。
エアゾール剤であり、専用のアダプターを用いて吸入する。
アトロベントは、エアゾール剤であり専用のアダプターを用いて、通常、1回1-2噴射(イプラトロピウム臭化物として20~40μg)を1日3-4回吸入投与します。
~Column~
アトロベントの主成分である、イプラトロピウムは、競馬界において、2006年の凱旋門賞で、当時最強馬で2019年に惜しまれつつも亡くなったディープインパクトの馬体から検出されて、禁止薬物使用の疑いと言うことで、失格となった事件でも話題になりました。
イプラトロピウムは人間だけではなく、馬にも咳等の治療薬として使われるようです。
ディープインパクトは凱旋門賞前に咳込みが続いたので、獣医師から処方されて吸入治療したようで、それが馬の体内に凱旋門賞レース後まで残存していたようです。
イプラトロピウム自体は、治療目的での使用に問題はないですが、体内に残っている状態でレースに出るのは禁じられており、それが原因で失格となりました。
人間でも、スポーツの大会に出る前にはドーピングの検査等がありますよね。それと同じことが競走馬界にもあるのです。
~参考文献~
・アトロベント添付文書
・アトロベントインタビューフォーム
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ver1. 2018.1
ver2. 2019.12
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