旅行する際、いつも使用している薬は持参してもよいか?

 

はじめに

年末年始や長期休暇で旅行に行かれることも多いと思いますが、普段毎日使用している薬を旅行先でも使用したいものです。ただ、年々医薬品の輸出入の規制は厳しくなっていると言われております。普段常用している薬は、旅行に持って行ってもよいのでしょうか?

 

 

国内旅行か海外旅行か

まず、国内旅行なのか、海外旅行なのかで大きく考え方が変わります。

 

国内旅行の場合

国内旅行であれば、飛行機内にも持ち込みは可能です。機内に持ち込めるサイズ等のルールもありますが、医薬品であればまず問題はないと言っていいと思います。また、目的地に到着しても同じ日本国内なので、特に何も規制等はありません。

 

海外旅行の場合

海外旅行の場合は、どのような場合でも医療機関から「英文の薬剤証明書」をもらっておいて携行しておく方がよいでしょう。

飛行機内の持ち込みという観点では、問題ないことがほとんどです。インスリンや吸入器も持ち込み制限の例外です。

ただ、渡航先のそれぞれの国の考え方等は様々であり、日本では大丈夫だと思っても、現地の国に行くと規制される場合もあります。そのため、旅行に行く事前に駐日大使館等に連絡して確認するのが良いでしょう。駐日大使館は以下の外務省のホームページに記載されております。

 

外務省 駐日外国公館リスト:

https://www.mofa.go.jp/mofaj/link/emblist/

 

 

海外旅行にはどんな薬は注意すべきなのか

通常は1ヶ月分程度であれば、海外への持ち込みは可能なものがほとんどです。ただし、以下のような特殊な例や例外がありますのでご注意ください。

 

向精神薬

a)一定量(1か月分程度)以下の場合(注射剤を除く)

 事前の手続きは不要で、持ち込みは可能ですが、念のために「英文の薬剤証明書」は持参した方が望ましいです。

b)注射剤の向精神薬であるか、注射剤以外の向精神薬でも総量が一定量を超える場合

 自身の疾病の治療であるという証明が必要になります。そのため、「英文の薬剤証明書」は必要です。

※海外で向精神薬を所持するということであらぬ容疑をかけられぬ可能性があります。そういったことを避けるためにも必ず「英文の薬剤証明書」を持参しましょう。

 

 

・医療用麻薬

癌の鎮痛等に用いられる医療用麻薬ですが、海外に持ち出す際は、事前に住んでいる地域の地方厚生局長の麻薬携帯輸出許可が必要です。

所定の手続きを終えた後、証明書等が交付されますので、空港の税関で提示します。

ただ、証明書の発行の手続きには時間がかかるため、出国の2週間前には申請が望ましいです。

 

・その他

大麻覚せい剤はもちろんですが、持ち出しは不可です。

またエフピー等の覚せい剤原料は、医療用医薬品であっても、持ち出しは認められておりません。

 

まとめ

言語も異なる現地で、薬を新たに買ったりもらうのは不安なものです。日本から持って行って、いつもの薬を安心して服用できるようにしっかりと準備はしたいですね。「英文の薬剤証明書」は医療機関で発行してもらえますので、必要な際はご相談ください。

 

 

※上記内容は、個々の治療方針や治療指針を促すものではありません。治療については必ず医療機関でよくご相談ください。

 

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