その症状は薬の副作用なのか?

 

はじめに

薬を服用していて、何か体調変化が現れた時、「これって薬の副作用?」となることがあると思います。「飲んでからすぐに症状が出てきたから、この薬のせいに違いない!」や「飲んでから2年ぐらい経っているから、この薬が原因なのかなあ?」と色々と考えを巡らせるかもしれません。ただ、自身で考えるだけで終わらせてよいものなのでしょうか。

 

 

判断が難しい副作用も起こりうる。

どのような薬でも、効果と副作用は必ずあります。すべての薬において、開発される段階でなるべく副作用が出ないように作られていますが、この世の中に全く副作用が起こりえない薬は残念ながら存在しません。

例えば、

 ・高血圧の薬⇒服用することで低血圧になることがある

 ・糖尿病の薬⇒服用することで低血糖になることがある

このようなものは、専門ではない一般の方でも想像が容易につくと思います。効果を期待する薬の作用が強く出すぎて(働きすぎて)、症状が現れるものだからです。

 

ただ、このような容易に想像がつくもの以外にも、何も知らなかったら、容易に想像がつかないような副作用が起こる薬もごまんとあります。

 

具体的に少し例をあげるとすれば、

脂質異常症に使用するスタチン系と呼ばれる薬⇒筋肉痛やだるくなり、重篤化する恐れが(まれだが)ある。

・抗コリン作用がある抗うつ剤⇒膀胱内に尿が充満しているのにも関わらず、尿が出なくなる可能性がある。

などです。

 

したがって、専門家ではないと、どの薬がどのような働きや副作用が出るのか、正直分かりません。

 

 

「副作用がある=怖い」ではない。

上記で、何も「薬には色々な副作用があるので、知識として知っておいてください。」と言っているわけではありません。

別記事の週刊誌の件でも触れましたが(週刊誌の薬に関する記事は鵜呑みにしてよいのか?)、薬は副作用があるものの、報告されている副作用だけを羅列して、「ほら、こんなに副作用が起こるから怖いでしょ。」と紹介している週刊誌や本、インターネットなどが山のようにあります。

 

大事なことは、「いつもと何か違う体調変化が現れたら、早めに医療機関に受診すること」です。

残念ながら、素人では自身の症状はよくわかっても、自身で判断することはできません。医療機関を受診して、医師が、血液検査や画像検査、問診、聴診器等で診察などを行い、これまでの症状の治療歴や服用している薬等をみて、総合的に判断するのです。

 

ここでポイントとなるのは、

 ・なるべくいつもと同じ医療機関(主治医)を受診する。

 ・放置するのではなく早めに受診する。

ことです。

いつもと同じ主治医であれば、これまでの治療歴が分かるため、主治医は判断がつきやすいです。主治医がいなくても同じ病院であれば、カルテもあるため、確認はできるでのでかなりの道しるべとなるでしょう。ただ、これがいつもと違う病院に受診したら、その医療機関で医師に一から話をして、医師も患者さんの話でしか判断できないので、判断が難しいことも多いです。

また、放置してもよい場合もありますが、中には大丈夫と思っていても、みるみるうちに重症化してしまう場合もあります。そのため、なるべく早く受診する方が望ましいです。

 

 

まとめ

薬を服用して、何も副作用がでない場合ももちろんあります。ただ、もし、何かあった時に、判断を誤ってしまうと、薬や症状によっては重症化してしまいかねません。その判断は医療機関に相談するという判断です。自身の中で置いておかずに、自身を守るためにも何か体調変化が現れた場合は、早めに医療機関に相談しましょう。

 

 

※上記内容は、個々の治療方針や治療指針を促すものではありません。治療については必ず医療機関でよくご相談ください。

 

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