【これだけは抑えておきたい】非ベンゾジアゼピン系睡眠薬:マイスリー、アモバン、ルネスタ
- 基本情報
- ω1受容体の選択性が高く、転倒リスクが少ない。
- マイスリー(ゾルピデム)は、統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症には使えない。
- ルネスタ(エスゾピクロン)はアモバン(ゾピクロン)を光学分割したものである。
基本情報
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は。ベンゾジアゼピン系睡眠薬と異なり、ベンゾジアゼピン骨格を有さない薬物です。現在は、以下の3種類が販売されています。
・アモバン(ゾピクロン)
ω1受容体の選択性が高く、転倒リスクが少ない。
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、GABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合します。ただ、ベンゾジアゼピン系睡眠薬と異なり、相対的にω1受容体の選択性が高く、筋弛緩作用等の副作用が少なくなり、転倒リスクが少なく高齢者にも使用されることが多いです。またいずれの薬剤も超短時間型(2-4hr)の作用を持ち、入眠障害や中途覚醒等に使用され、翌朝への持ち越しは少ないです。
マイスリー(ゾルピデム)は、統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症には使えない。
マイスリーは添付文書に、「本剤の投与は、不眠症の原疾患を確定してから行うこと。なお、統合失調症あるいは躁うつ病に伴う不眠症には本剤の有効性は期待できない」と記載があり、統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症には使えません。インタビューフォームにも、統合失調症及び躁うつ病に伴う不眠症においては、原疾患の治療が優先されるべきであり、本剤の有効性は期待できないことから、注意喚起の意味で設定しているとのことで記載があります。
ルネスタ(エスゾピクロン)はアモバン(ゾピクロン)を光学分割したものである。
ルネスタはラセミ体(R体とS体の等量混合物)であるゾピクロンを光学分割して得られたS体であり、非臨床試験から、GABAA受容体への結合を介した催眠作用、鎮静作用及び抗不安作用を有すること、加えてゾピクロンの薬理活性の大部分を有することが明らかになりました。また、投与期間に関わらず臨床的に問題となる副作用(依存性、持ち越し効果等)は認められなかったとの情報もあります。
(※余談ですが、このようにルネスタとアモバンのような光学分割の関係は、他にはネキシウムとオメプラール、ザイザルとジルテック等があります)
また、アモバンは副作用として、口の中に苦みが残ることがありますが、ルネスタはアモバンに比べると苦みが残ることが減っているとの報告があります。
※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。
※上記内容は、個々の治療方針や治療指針を促すものではありません。治療については必ず医療機関でよくご相談ください。
-----
ver1. 2017.10
ver2. 2020.2
↓ブログランキングに参加していますので、よかったらポチッと押していただけますと幸いです。