【これだけは抑えておきたい】プロトンポンプ阻害薬(PPI):共通事項
プロトンポンプを阻害することにより、胃酸の分泌を抑制する。
胃の壁細胞の基底膜側に存在するヒスタミンH2受容体、ムスカリンM3受容体、ガストリン受容体が刺激を受けると、細胞内のCa2+もしくはcAMPが増加して、管腔側にあるプロトンポンプが活性化し、胃酸が分泌されます。プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、プロトンポンプのSH基とジスルフィド結合することで、酵素活性を不可逆的に阻害し、胃酸分泌が抑制されます。要は、胃酸分泌の根元を止めるので、H2受容体拮抗薬に比べれば、胃酸分泌抑制作用は強力です。また、PPIはプロトンポンプが新しいものに入れ替わる数日間その機能を阻害し続けますので効果は長持ちします。
原則、胃潰瘍や逆流性食道炎は8週まで、十二指腸潰瘍は6週までの投与制限がある。
各薬剤によって正確には変わってきますが、投与制限があります。
再発再燃を繰り返す逆流性食道炎の場合、維持療法として8週間を超えて更に処方が続くことはあります。
肝代謝で排泄され、遺伝子多型により効果には個人差はある。
H2受容体拮抗薬は主に腎排泄型ですが、PPIは肝代謝型です。代謝に関わるCYPも遺伝子多型で個人差があり、効果が変わってくる場合があります。
※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。
※上記内容は、個々の治療方針や治療指針を促すものではありません。治療については必ず医療機関でよくご相談ください。
-----
ver1. 2017.11
ver2. 2020.1
↓ブログランキングに参加していますので、よかったらポチッと押していただけますと幸いです。