気管支喘息治療薬:吸入ステロイド薬共通項

気管支喘息治療薬についてです。

まずは気管支喘息の治療の主流になっている、吸入ステロイド薬(ICS)について全体的な話としてまとめます。

 

ポイント

 

気管支喘息の治療において、第一選択である。

ステロイド剤は抗炎症作用があり、古くから薬剤として様々な場面で使用されています。

気管支喘息においても、ステロイドは気道に起きている炎症を抑える働きをします。気管支喘息では、非発作時でも気道に炎症は起きているため、毎日の吸入が必要です。

プレドニゾロンなどの経口剤が使用されていましたが、近年は吸入ステロイド薬(ICS)の普及により、喘息予防・治療ガイドラインにおいても第一選択薬として取り扱われるようになっております。

ICSは、吸入後速やかに直接肺に到達するため、一般的には経口のステロイドに比べて全身性の副作用が圧倒的に少ないとは言われています。

気管支喘息の治療薬としてのICSは、ステロイド単剤のものから、LABAなどの長時間作用型β2刺激薬との合剤など種類がいくつかあります。

 

②副作用として、嗄声や口腔内カンジダ症が多い。

①で経口のステロイド剤に比べると、ICSは全身性の副作用は少ないと述べました。

ただし、ICS吸入後に口の中にステロイドが残ってしまって、それが原因となり、嗄声(声枯れ)や口腔内カンジダ症になる可能性があり、他の副作用よりも比較的高頻度に起こり得ます。そのため、吸入後は毎回うがいを必ずしっかりするようにします。

 

COPDに適応がある吸入薬もある。

①でも述べましたが、長時間作用型β2刺激薬との合剤もあり、アドエアやシムビコートなどは気管支喘息以外にも、COPD慢性閉塞性肺疾患)の治療薬としても使用されます。

 

---補足---

・吸入後のうがい

明確に規定されているものはないですが、吸入後のうがいについては、吸入直後にうがいを行う方が効果的と報告されているものがあります。

Influence of mouth washing procedures on the removal of drug residues following inhalation of corticosteroids.

Biol Pharm Bull. 2006.

 

※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。

 

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ver.1 2017/12/16

ver.2 2019/2/16

 

マイコプラズマ肺炎

呼吸器疾患の一つである、マイコプラズマ肺炎について、簡潔にまとめています。

マイコプラズマ肺炎は私自身も以前に罹患してたいへんな目に遭いましたので、正しい知識を復習したいと思います。

 

ポイント

 

①非定型肺炎であり、若年者に多い。

マイコプラズマ肺炎は、肺炎の中でも、子供などの若年者に多く、非定型肺炎の一つです。子供が発症しやすいですが、大人でも罹る可能性はあります。過去は4年に1度に流行することから、「オリンピック肺炎」と呼ばれていました。現在は、そうでもないようです。

 

細胞壁がない。

マイコプラズマは他の細菌と異なり、細胞壁がありません。そのため、β‐ラクタム系の薬剤は無効であり、治療薬としてはマクロライド系やニューキノロン系抗菌薬が用いられます。

 

③白血球数は正常範囲であることが多い。

マイコプラズマ肺炎では、罹患した際の症状として、高熱や激しい咳が続きますが、白血球数は正常範囲であることが多いです。また、個人差もありますが、食欲もあまり落ちません。

  

---補足---

マクロライド耐性マイコプラズマ

マイコプラズマに対して、マクロライド系抗生物質を使用して治療する機会が増加して、マクロライド耐性マイコプラズマが以前から問題になっており、以下のように様々報告されています。

Macrolide-resistant Mycoplasma pneumoniae in adolescents with community-acquired pneumonia. BMC Infect Dis 2012; 12: 126

 

※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。

 

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ver.1 2017/12/16

ver.2 2019/02/11

 

躁うつ病治療薬⑬:イフェクサー

抗うつ薬SNRI、最後はイフェクサー(ベンラファキシン)です。

 

◆ポイント◆

①徐放剤である。

②服用開始1週後より1日75mgを1日1回食後に経口投与する。

離脱症状に注意する。

 

①徐放剤である。

イフェクサーはSRカプセルであり、徐々に薬剤が放出される徐放剤です。1日1回の服用で効果を発揮します。

 

②服用開始1週後より1日75mgを1日1回食後に経口投与する。

イフェクサーは37.5mgと75㎎の2種類あります。通常、1日37.5mgを初期用量とし、 1週後より1日75mgを1日1回食後に経口投与します。年齢や症状に応じ1日225mgを超えない範囲で適宜増減しますが、増量は1 週間以上の間隔をあけて1日用量として75mgずつ行うよう注意します。

 

離脱症状に注意する。

イフェクサーは、パキシル同様に離脱症状が比較的強いと言われていますので、徐々に減量するなど注意が必要です。

 

※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。

 

 

躁うつ病治療薬⑫:トレドミン

抗うつ薬SNRI、続いてはトレドミンミルナシプラン)です。

 

◆ポイント◆

①副作用は比較的少ないと言われている。

②悪心、嘔吐等の副作用が多い。

尿閉前立腺疾患等)のある患者は禁忌である。

 

①副作用は比較的少ないと言われている。

トレドミンは日本で初めてのSNRIとして開発された薬です。Tolerance is dominant(忍容性が優れている)という意味からトレドミンの名称がつけられたとのことで、効果もサインバルタに比べてマイルドで副作用も比較的少ないと言われています。

 

②悪心、嘔吐等の副作用が多い。

①で副作用は比較的少ないと述べましたが、副作用の中でも悪心や嘔吐等の副作用は比較的多いと言われており注意喚起されています。したがって食後服用になっています。

 

尿閉前立腺疾患等)のある患者は禁忌である。

トレドミンノルアドレナリン再取り込み阻害作用があるため、尿閉等の症状を悪化させるおそれがあるため、禁忌に設定されています。

 

※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。

 

 

躁うつ病治療薬⑪:サインバルタ

抗うつ薬、今回からはSNRIについて触れていきます。

まずはサインバルタ(デュロキセチン)から。

 

◆ポイント◆

セロトニン及びノルアドレナリンの再取り込みを阻害する。

うつ病には通常、成人には 1 日 1回朝食後に40mgを経口投与する。

③いくつかの疾患に伴う疼痛に適応がある。

 

セロトニン及びノルアドレナリンの再取り込みを阻害する。

SNRIは選択的セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬と呼ばれ、セロトニンノルアドレナリンの再取り込みを阻害することにより抗うつ効果を示します。抗うつ効果は他の系統の抗うつ薬に比べて早いと言われております。

 

うつ病には通常、成人には 1 日1回朝食後に40mgを経口投与する。

サインバルタは、剤形としてはカプセルで20㎎と30㎎の2種類あります。

うつ病には通常、成人には 1日1回朝食後、40mgを経口投与します。投与は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量します。効果不十分な場合には1日60mgまで増量することができます。

 

③いくつかの疾患に伴う疼痛に適応がある。

サインバルタは、下行性痛覚抑制系の賦活化により、糖尿病性神経障害、線維筋痛症、慢性腰痛症、変形性関節症等の疼痛にも適応があり、NSIADS等で十分に痛みに対して効果がない患者への治療の選択肢の一つとして投与されることがあります。

 

※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。

 

 

躁うつ病治療薬⑩:レクサプロ

抗うつ薬SSRI、最後はレクサプロ(エスシタロプラム)です。

 

◆ポイント◆

①1日1回服用である。

社会不安障害にも適応がある。

③12歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討する。

 

①1日1回服用である。

レクサプロは、通常、成人には10mgを1日1回夕食後に服用します。年齢・症状により適宜増減しますが、 増量は1週間以上の間隔をあけて行い、1日最高用量は20mgを超えないようにします。

 

社会不安障害にも適応がある。

レクサプロは、うつ病うつ状態以外にも社会不安障害にも効能効果があります。社会不安障害の診断は、DSM等の適切な診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与するよう注意喚起されています。

 

③12歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討する。

レクサプロは、パキシルジェイゾロフトのように18歳未満ではなく、12歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討します。したがって、12歳から17歳の患者の治療の選択肢としてレクサプロが使われます。

 

※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。

 

 

躁うつ病治療薬⑨:ジェイゾロフト

抗うつ薬SSRI、続いてはジェイゾロフトセルトラリン)です。

 

◆ポイント◆

①1日25mgから開始し、1日100 mgまで漸増し1日1回経口投与。

パニック障害PTSDにも適応がある。

③CYP阻害は比較的少ない。

 

①1日25mgから開始し、1日100 mgまで漸増し1日1回経口投与。

ジェイゾロフトは、1日25mgを初期用量とし、1日100 mgまで漸増し、1日1回経口投与します。飲み始めの副作用を防止するために、初期用量は少なく設定してあります。

 

パニック障害PTSDにも適応がある。

ジェイゾロフトは、うつ病うつ状態以外にも、パニック障害PTSDにも適応があります。ただ、パキシルと違い、適応によって薬剤量が変わることはありません。①で述べた量で使用します。

 

③CYP阻害は比較的少ない。

ジェイゾロフトは全くないわけではないですが、同じSSRIデプロメール/ルボックスパキシルと比べCYP阻害作用が強くありません。そのため、他剤との相互作用は少ないです。ただ、オーラップ(ピモジド)とは併用禁忌です。

 

※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。