胃疾患

【薬の疑問】ヘリコバクターピロリ除菌治療後の効果判定は?

ヘリコバクターピロリ菌の除菌を薬で行ったあと、すぐには除菌できているかどうかを検査はしません。 なぜなら、除菌できていないのに、除菌されたと判断されてしまう「偽陰性」となることがあるためです。 一般的には、除菌の治療薬を終了して4週後以降の時…

【目次】【これだけは抑えておきたい】胃疾患治療薬

◆プロトンポンプ阻害薬(PPI) 共通事項 オメプラール タケプロン パリエット ネキシウム ◆PCAB タケキャブ ◆酸分泌抑制薬 H2受容体拮抗薬 抗コリン薬 ◆胃粘膜防御因子増強薬 サイトテック 組織修復・粘膜保護薬 ◆機能性ディスペプシア(FD)治療薬 アコファ…

【目次】【薬の疑問】胃疾患

胃疾患に関連する薬で、よくある疑問点です。以下をご覧ください。 ・胃酸を抑える胃薬は、胃の働きを完全に止める? ・プロトンポンプ阻害薬(PPI)は長期間服用してもよい? ・ヘリコバクターピロリ除菌治療後の効果判定は?

【薬の疑問】プロトンポンプ阻害薬(PPI)は長期間服用してもよい?

プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、逆流性食道炎等で服用する場合は、通常は8週間までの投与制限があります。ただ、再発や再燃を繰り返す場合は、8週間以上服用するケースもあります。 PPIを長期間服用することについて、いままでそして現在も、副作用リスクな…

【薬の疑問】胃酸を抑える胃薬は、胃の働きを完全に止める?

プロトンポンプ阻害薬は、胃の中のpHが4以上となる時間の割合が1日の中で増えることで、胃の症状が改善します。 プロトンポンプ阻害薬、いわゆるPPIと呼ばれるものは、1日1回の服用で胃の中のpHを上昇して症状を改善します(ヘリコバクターピロリ菌の除菌等…

pantoprazoleの長期使用の安全性

pantoprazoleの3年間服用は、腸管感染症のリスク増加を除いて、安全性事象はプラセボ群と有意差は認められなかった。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/31152740/ PMID:31152740 ----- ◆結果 ・pantoprazoleの長期(3年)安全性試験。 ・腸管感染症の…

H.pylori除菌は、親が失敗したら、子供の失敗リスクも高い可能性が示された

H.pylori除菌において、親のクラリスロマイシンを含む3剤併用療法の失敗歴は、子供のクラリスロマイシンを含む3剤併用療法の失敗リスクが増加した。 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/jgh.14774 PMID:31264254 ----- ◆結果 ・日本人404例の…

PPIの長期使用は、心血管疾患、慢性腎臓病、上部消化管癌等の総死亡率が上昇した

PPIの長期使用は、H2ブロッカーの長期使用に比べて、心血管疾患、慢性腎臓病、上部消化管癌等の総死亡率が上昇した。 Estimates of all cause mortality and cause specific mortality associated with proton pump inhibitors among US veterans: cohort st…

【これだけは抑えておきたい】機能性ディスペプシア(FD)治療薬:ガスモチン

基本情報 5-HT4受容体作動薬であり、消化管運動促進作用を示す。 一定期間投与後、症状が改善しているかどうかを評価する。 副作用は比較的起こりにくいが、肝機能障害がみられる可能性がある。 基本情報 製品名:ガスモチン錠/ガスモチン散 一般名:モサプ…

【これだけは抑えておきたい】機能性ディスペプシア(FD)治療薬:アコファイド

基本情報 機能性ディスペプシアの治療薬である。 コリンエステラーゼ阻害薬であり、消化管運動を促進させる。 食前に服用する。 心窩部の疼痛や灼熱感に対する有効性は確認されていない。 基本情報 製品名:アコファイド 一般名:アコチアミド塩酸塩水和物 …

ヘリコバクター・ピロリ感染症

今回は、ヘリコバクター・ピロリ感染症についてです。 ピロリ菌は、胃の粘膜に生息しているらせん形をした細菌です。 ◆ポイント◆ ①ピロリ菌感染により、胃がん等の様々な疾患を引き起こす。 ②ピロリ菌の検査には様々な方法がある。 ③除菌療法は多剤併用療法…

胃食道逆流症(GERD)

前回までは、消化性潰瘍治療薬として、酸分泌抑制薬と防御因子増強薬を見てきました。今回は、病態として、胃食道逆流症(GERD)について触れます。 日本人で、1000例以上を対象とした研究でびらん性GERDの有病率は平均すると約10.5%と言われており、増加傾…

【これだけは抑えておきたい】胃粘膜防御因子増強薬(組織修復・粘膜保護薬)

基本情報 ムコスタやセルベックスは粘液分泌促進作用、粘膜血流増加作用、酸分泌抑制作用を示す。 アルサルミンは、併用薬によってはキレート形成する可能性があり注意が必要。 アルサルミンは、長期投与でアルミニウム脳症等が起こる可能性があり。 基本情…

【これだけは抑えておきたい】胃粘膜防御因子増強薬(PG製剤):サイトテック

基本情報 PGE1誘導体であり、PGを増加させることで、胃粘膜の防御因子を増強する。 適応は、NSAIDSの長期投与時に見られる胃・十二指腸潰瘍である。 妊婦には禁忌である。 基本情報 製品名:サイトテック 一般名:ミソプロストール錠 効能・効果:非ステロイ…

【これだけは抑えておきたい】酸分泌抑制薬:抗コリン薬

基本情報 ムスカリン受容体を遮断し、胃酸分泌を抑制する。 ガストロゼピン(ピレンゼピン)は、M1受容体を選択的に遮断する。 ガストロゼピン(ピレンゼピン)以外の非選択的抗コリン薬は、鎮痙薬として使用されることが多い。 基本情報 主な酸分泌抑制薬に…

【これだけは抑えておきたい】酸分泌抑制薬:H2受容体拮抗薬

基本情報 H2受容体を遮断することで、胃酸分泌を抑制する。 腎排泄型であり、腎機能低下時には注意が必要。 PPIが消化性潰瘍の第一選択薬だが、使用できない場合等に用いる。 基本情報 主なH2受容体拮抗薬は以下の通りです。 ・ガスター(ファモチジン) ・…

【これだけは抑えておきたい】プロトンポンプ阻害薬(PPI:P-CAB):タケキャブ

基本情報 プロトンポンプに対し、カリウムイオン(K+)と競合し、胃酸分泌を抑制する。 他のPPIと異なり、酸による活性化を必要としないため、効果発現が速やかである。 タケプロンの改良版がタケキャブ。 基本情報 製品名:タケキャブ 一般名:ボノプラザン…

【これだけは抑えておきたい】プロトンポンプ阻害薬(PPI):ネキシウム

基本情報 オメプラールの改良版である。 オメプラールとの非劣性が確認されている。 腸溶剤である。 基本情報 製品名:ネキシウムカプセル 一般名:エソメプラゾールマグネシウム水和物カプセル 効能・効果: <ネキシウムカプセル10mg> ・胃潰瘍、十二指腸…

【これだけは抑えておきたい】プロトンポンプ阻害薬(PPI):パリエット

基本情報 主な代謝がCYPを介さないため、相互作用が少ない。 ピロリ菌の除菌パック製剤として、パリエット含有のラベキュア、ラベファインがある。 錠剤の規格は5mg、10mg、20mgがある。 基本情報 製品名:パリエット錠 一般名:ラベプラゾールナトリウム製…

【これだけは抑えておきたい】プロトンポンプ阻害薬(PPI):タケプロン

基本情報(内服) 基本情報(注射剤) カプセル剤とOD錠、注射製剤の3種類がある。 ピロリ菌の除菌パック製剤として、タケプロン含有のランサップがある。 1日1回投与で日中、夜間の胃酸分泌を抑制 基本情報(内服) 製品名:タケプロンOD錠/タケプロンカプ…

【これだけは抑えておきたい】プロトンポンプ阻害薬(PPI):オメプラール

基本情報(錠剤) 基本情報(注射剤) 錠剤と注射の2剤ある。 CYP2C19の遺伝子多型の差により、個体差が比較的大きい。 オメプラールの改良版がネキシウム。 基本情報(錠剤) 製品名:オメプラール錠 一般名:オメプラゾール腸溶錠 効能・効果: <オメプラ…

【これだけは抑えておきたい】プロトンポンプ阻害薬(PPI):共通事項

プロトンポンプを阻害することにより、胃酸の分泌を抑制する。 原則、胃潰瘍や逆流性食道炎は8週まで、十二指腸潰瘍は6週までの投与制限がある。 肝代謝で排泄され、遺伝子多型により効果には個人差はある。 プロトンポンプを阻害することにより、胃酸の分泌…