躁うつ病治療薬②:デパケン

今回はデパケンバルプロ酸)についてです。

 

◆ポイント◆

①躁病および躁うつ病躁状態の治療に用いる。

②GABAトランスアミナーゼ阻害作用がある。

③カルバペネム抗生物質とは併用禁忌である。

 

①躁病および躁うつ病躁状態の治療に用いる。

デパケンは、躁うつ病に対しては、躁病および躁うつ病躁状態の治療に用います。うつ病相時には用いません。

 

②GABAトランスアミナーゼ阻害作用がある。

デパケンてんかんの全般発作の治療にも用いられます。デパケンの抗てんかん作用は脳内のGABAトランスアミナーゼ阻害作用による、抑制系の賦活作用に基づくと言われています。 抗躁作用についてもGABA神経伝達促進作用が寄与している可能性が考えられています。

 

③カルバペネム抗生物質とは併用禁忌である。

デパケン投与中はカルバペネム抗生物質(パニペネム・ベタミプロン、メロペネム水和物、イミペネム水和物・シラスタチンナトリウム、ビアペネム、ドリペネム水和物、テビペネム ピボキシル)を併用しないように、併用禁忌に設定されています。

デパケン血中濃度が低下するためです。

 

上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。 

【これだけは抑えておきたい】躁うつ病治療薬:リーマス

 

基本情報

製品名:リーマス

一般名:炭酸リチウム製剤

効能・効果:躁病および躁うつ病躁状態

 

 

 

躁病および躁うつ病躁状態に効能効果がある。

リーマスは、作用機序はまだ完全に解明されていません。中枢神経系における、NA作動系、DA作動系、5HT作動系において、多くの作用が複合的に関連して作用するものと推測されています。リーマスを服用することにより、躁病および躁うつ病躁状態を改善します。

 

リチウム中毒に注意する。

リチウムの血中濃度の治療域と中毒域は近く、リチウム中毒防止のため、服用時には定期的な血中濃度の測定(TDM)が必要です。

投与初期又は用量を増量したときには維持量が決まるまでは1週間に1回を目途に、維持量の投与中には2~3ヵ月に1回を目途に行います。

 

リチウムの体内貯留を起こしやすい状態にある患者は禁忌である。

上記に関連してですが、リチウムの体内貯留を起こしやすい状態にある患者は禁忌です。

例えば、腎障害のある患者、衰弱又は脱水状態にある患者、発熱・発汗又は下痢を伴う疾患のある患者、食塩制限患者などです。これらの患者ではリチウムの毒性を強める可能性があります。

 

 

~参考文献~

リーマス添付文書

リーマスインタビューフォーム

 

※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。

※上記内容は、個々の治療方針や治療指針を促すものではありません。治療については必ず医療機関でよくご相談ください。

 

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【これだけは抑えておきたい】骨粗鬆症治療薬:プラリア

 

基本情報

製品名:プラリア

一般名:デノスマブ

効能・効果:

 ・骨粗鬆症

 ・関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制

 

ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤である。

RANKLは、骨吸収を司る破骨細胞及びその前駆細胞の表面に発現する受容体である RANKを介して破骨細胞の形成、機能及び生存を調節するタンパク質です。

プラリアは、特異的かつ高い親和性でヒトRANKLに結合するヒト型IgG2モノクローナル抗体で、RANK/RANKL経路を阻害し、 破骨細胞の形成を抑制することにより骨吸収を抑制し、骨量を増加させ、骨強度を増強させます。

 

6ヵ月に1回、皮下投与する。

プラリアは、骨粗鬆症に用いる場合は、通常、成人にはデノスマブ(遺伝子組換え)として60mgを 6ヵ月に1回、皮下投与します。

 

関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制にも用いる。

プラリアは骨粗鬆症以外にも、関節リウマチ患者でメトトレキサート等の抗炎症作用を有する抗リウマチ薬による適切な治療を行っても、画像検査で骨びらんの進行が認められる場合に使用することができます。骨粗鬆症と同様、6ヵ月に1回、皮下投与しますが、6ヵ月に1回の投与においても、骨びらんの進行が認められる場合には、3ヵ月に1回、皮下投与することができます。

 

~参考文献~

・プラリア添付文書

・プラリアインタビューフォーム

 

※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。

※上記内容は、個々の治療方針や治療指針を促すものではありません。治療については必ず医療機関でよくご相談ください。

 

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