便秘治療薬:機械性下剤:酸化マグネシウム

便秘治療薬、前回までは大腸刺激性下剤についてまとめましたが、今回は機械性下剤である酸化マグネシウムについて触れます。

酸化マグネシウムやマグミットとして本当によく処方される薬です。ただ、処方されやすいですが相互作用も多く多くの注意が必要です。

 

◆ポイント◆

①腸内の浸透圧を高めて、便を軟化し、便秘を改善する。

②他の薬物との吸収や排泄に影響を与えることがある。

③高マグネシウム血症に注意する。

 

①腸内の浸透圧を高めて、便を軟化し、便秘を改善する。

酸化マグネシウムは、腸内で重炭酸塩や炭酸塩となり腸内の浸透圧を高めて腸内腔へ水分を引き寄せ、腸内容を軟化させるとともに、腸管の内容物が膨張して、腸管に拡張刺激を与え、排便を促します。

 

②他の薬物との吸収や排泄に影響を与えることがある。

酸化マグネシウムは吸着作用や制酸作用等があるため、以下のように他の薬の吸収や排泄に影響を与えることがあります。

・テトラサイクリン系抗菌薬、ニューキノロン系抗菌薬、ビスホスホネート製剤・・・マグネシウムと難溶性のキレートを形成し、薬剤の吸収が阻害される。

・セフジニル、セフポドキシム、プ ロキセチル、ミコフェノール酸モフェチル、デラビルジン、ザルシタビン、ペニシラミン・・・機序不明であるが吸収が低下する。

・アジスロマイシン、セレコキシブ、ロスバスタチン、ラベプラゾール、ガバペンチン・・・機序不明であるが血中濃度が低下する。

ジギタリス製剤 (ジゴキシン、ジ ギトキシン等)、鉄剤、フェキソフェナジン・・・マグネシウムの吸着作用又は消化管内・体液のpH上昇により、薬剤の吸収・ 排泄に影響を与えることがある。

・ポリカルボフィルカルシウム・・・酸化マグネシウムによる胃内pH上昇により作用が低下する。

・高カリウム血症改善イオン交換樹脂製剤・・・マグネシウムがこれらの薬剤の陽イオンと交換するため薬剤の効果が低下する。

・活性型ビタミンD3製剤 (アルファカルシドール、カルシトリオール等)・・・マグネシウムの消化管吸収及び腎 細管からの再吸収が促進し、高マグネシウム血症が起こる可能性がある。

 

③高マグネシウム血症に注意する。

酸化マグネシウムの服用により、高マグネシウム血症があらわれ、 呼吸抑制、意識障害不整脈、心停止に至ることがあります。 悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の症状の発現に注意するとともに、 血清マグネシウム濃度の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、 適切な処置を行うようにと添付文書に記載されています。高マグネシウム血症は高齢者や、活性型ビタミンD3製剤を服用中の患者や、腎機能が低下した患者に起こりやすいと言われております。

 

上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。