【これだけは抑えておきたい】躁うつ病治療薬:三環系抗うつ薬

 

基本情報

三環系抗うつ薬は、代表的な薬剤は以下の通りです。

トフラニール(イミプラミン)

アナフラニールクロミプラミン)

トリプタノール(アミトリプチリン)

ノリトレン(ノルトリプチリン)

アモキサンアモキサピン

etc

 

セロトニン及びノルアドレナリンの再取り込み阻害作用により抗うつ効果を示す。

三環系抗うつ薬は、セロトニン及びノルアドレナリンの再取り込みを阻害することにより、精神状態を賦活化させ、抗うつ効果を示します。

ただ、H1受容体や、α1受容体も拮抗作用があり、副作用が比較的多く、過量服薬で危険性が高まると言われています。

 

遺尿症や夜尿症にも適応がある。

トフラニールアナフラニールは遺尿症に、トリプタノールは夜尿症にも適応があり、抗うつ剤とは違う使われ方をする場合があります。

 

抗コリン作用による副作用に注意が必要である。

三環系抗うつ薬は、抗コリン作用を持つため、緑内障尿閉の疾患がある患者には使用禁忌です。また、口渇や排尿障害、便秘等の副作用に注意が必要です。

 

使い分け

アナフラニールは錠剤の他に点滴静注も可能です。ノリトレンは、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用があるため、意欲低下に使用されます。

 

※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。

※上記内容は、個々の治療方針や治療指針を促すものではありません。治療については必ず医療機関でよくご相談ください。

 

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ver1. 2018.4

ver2. 2020.2

 

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躁うつ病治療薬②:デパケン

今回はデパケンバルプロ酸)についてです。

 

◆ポイント◆

①躁病および躁うつ病躁状態の治療に用いる。

②GABAトランスアミナーゼ阻害作用がある。

③カルバペネム抗生物質とは併用禁忌である。

 

①躁病および躁うつ病躁状態の治療に用いる。

デパケンは、躁うつ病に対しては、躁病および躁うつ病躁状態の治療に用います。うつ病相時には用いません。

 

②GABAトランスアミナーゼ阻害作用がある。

デパケンてんかんの全般発作の治療にも用いられます。デパケンの抗てんかん作用は脳内のGABAトランスアミナーゼ阻害作用による、抑制系の賦活作用に基づくと言われています。 抗躁作用についてもGABA神経伝達促進作用が寄与している可能性が考えられています。

 

③カルバペネム抗生物質とは併用禁忌である。

デパケン投与中はカルバペネム抗生物質(パニペネム・ベタミプロン、メロペネム水和物、イミペネム水和物・シラスタチンナトリウム、ビアペネム、ドリペネム水和物、テビペネム ピボキシル)を併用しないように、併用禁忌に設定されています。

デパケン血中濃度が低下するためです。

 

上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。 

【これだけは抑えておきたい】躁うつ病治療薬:リーマス

 

基本情報

製品名:リーマス

一般名:炭酸リチウム製剤

効能・効果:躁病および躁うつ病躁状態

 

 

 

躁病および躁うつ病躁状態に効能効果がある。

リーマスは、作用機序はまだ完全に解明されていません。中枢神経系における、NA作動系、DA作動系、5HT作動系において、多くの作用が複合的に関連して作用するものと推測されています。リーマスを服用することにより、躁病および躁うつ病躁状態を改善します。

 

リチウム中毒に注意する。

リチウムの血中濃度の治療域と中毒域は近く、リチウム中毒防止のため、服用時には定期的な血中濃度の測定(TDM)が必要です。

投与初期又は用量を増量したときには維持量が決まるまでは1週間に1回を目途に、維持量の投与中には2~3ヵ月に1回を目途に行います。

 

リチウムの体内貯留を起こしやすい状態にある患者は禁忌である。

上記に関連してですが、リチウムの体内貯留を起こしやすい状態にある患者は禁忌です。

例えば、腎障害のある患者、衰弱又は脱水状態にある患者、発熱・発汗又は下痢を伴う疾患のある患者、食塩制限患者などです。これらの患者ではリチウムの毒性を強める可能性があります。

 

 

~参考文献~

リーマス添付文書

リーマスインタビューフォーム

 

※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。

※上記内容は、個々の治療方針や治療指針を促すものではありません。治療については必ず医療機関でよくご相談ください。

 

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