【薬の疑問】吸入ステロイド薬は小児に使用すると、身長が伸びなくなるか?

気管支喘息の治療薬である吸入ステロイド薬は、ステロイドが含まれており、副作用を心配される方も多いと思います。

その中でも、小児に対して使用すると、成長が遅延して、身長が低くなると言われておりますが、果たしていかがでしょうか。

 

他の副作用でもそうですが、ステロイド薬とは言え、吸入ステロイドは、経口のステロイド薬に比べて副作用は少ないと言われております。

ただ、喘息など小児で長期的に吸入ステロイド薬を使用する場合は十分な経過観察が必要です。

 

吸入ステロイド薬であるブデソニドの海外でのデータですが、小児から長期的に使用した場合、成人の身長が平均1.2cm低かったことが報告されています。

ただ、一時的には小児の成長率の低下が認められるものの、大半は十分に成長し、両親の身長から予想される最終の身長に到達することの報告もあります。

 

成長期に身長が伸び悩むのも、ご両親としては心配になるとは思いますが、小児喘息のガイドラインでも、吸入ステロイド薬の治療が基本です。喘息のリスク管理の観点からも、吸入ステロイド薬は適切に使用したら安全な薬剤です。

 

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ver1. 2019.12