甲状腺機能亢進症治療薬①:メルカゾール
今回からは、甲状腺疾患治療薬についてまとめます。
まずは、甲状腺機能亢進症の治療薬についてです。
甲状腺機能亢進症とは、バセドウ病等が特徴的な疾患で、甲状腺ホルモンが増えすぎることにより、激しい運動をずっとし続けているような状態になり、頻脈や動悸等様々な症状が現れます。
甲状腺機能亢進症治療薬は、甲状腺ホルモンを減らすことで、そのような症状を改善します。
ではまず、代表的な薬である、メルカゾール(チアマゾール)について以下にまとめます。
◆ポイント◆
①甲状腺のペルオキシダーゼを阻害し、甲状腺ホルモンの合成を阻害する。
②初期用量は1日30㎎から。
③無顆粒球症に注意する。
①甲状腺のペルオキシダーゼを阻害し、甲状腺ホルモンの合成を阻害する。
メルカゾールは、甲状腺のペルオキシダーゼを阻害し、ヨウ素のサイログロブリンへの結合を阻止し、さらにヨードサイロシンのトリヨードサイロニン(T3)、サイロキシン(T4)への縮合を阻害することで、甲状腺ホルモンの合成を阻害します。
②初期用量は1日30㎎から。
メルカゾールは、通常成人に対しては初期用量を1日30㎎で3-4回に分割して服用を開始します。メルカゾールは1錠が5㎎ですので、通常は1日6錠から開始です。また、症状や年齢に応じて、適宜増減します。
③無顆粒球症に注意する。
メルカゾール服用で特に注意しなければいけないのは、無顆粒球症です。
無顆粒球症の症状(咽頭痛、発熱等)があらわれた場合には、速やかに主治医に連絡し、 少なくともメルカゾール投与開始後2ヶ月間は原則として2週に1回は、定期的な血液検査を行う必要があるので、通院するようにします。
※上記内容は記載時点での情報です。情報を使用する際は、最新の添付文書等で常に確認してください。